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熱中症予防労働衛生教育の要点を詳しく解説!

毎年、熱中症による労働災害が発生し、各事業場においては事前の対策に余念がありません。

厚生労働省では、職場における熱中症予防対策の徹底を図るために通達や関連資料を公表し、各事業場において予防対策を講じることを強く求めています。

今回は、同省より推進されている熱中症予防対策の一つである熱中症予防労働衛生教育の詳細について解説していきます。

 

職場における熱中症による死亡者数の推移

まず、職場における熱中症のよる死傷災害についてみていきましょう。

厚生労働省が発表している「平成30年職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」によると、2019年の職場における熱中症における死傷者数は790人、死亡者数は29人でした。

2018年と比較すると死傷者数、死亡者数とも減少はしていますが、熱中症による重篤な労働災害が毎年発生し重篤災害が起こっています。

これは熱中症に対する意識の低下、理解不足により不安全状態・不安全行動につながって労働災害が発生しているケースが多々挙げられます。

近年の地球温暖化にともなう気温の上昇により、必然と熱中症における労働災害のリスクも高まっていることも言えるのではないでしょうか。

事業場における熱中症の教育が実施がされていないことも挙げられ、安全配慮義務がある事業者として熱中症予防対策を講じていないことは大きな責任問題です。



熱中症による業種別死傷者数

次に業種別の熱中症による死傷者数についてみていきましょう。

同省が公表している上記の「熱中症による業種別死傷者数」をご覧いただくと分かるように、建設業、製造業、運送業で多く発生しており、全体の半数以上を占めています。

2019年は、死亡災害のうち 10 件が建設業において発生、建設業以外のは16 件で発生しました。

また、過去 10 年間で初めて建設業よりも製造業の方が死傷災害が多くなっています。



熱中症による月別死傷者数

熱中症による月別死傷者数もみておきましょう。

同省の「熱中症による月別死傷者数」では、7月、8月に集中的に多いことが分かります。

2015年以降の月別の熱中症の死傷者数は、全体の9割弱が7月及び8月に発生しています。



熱中症予防労働衛生教育が大きな鍵となる

このようなことから厚生労働省では、職場における熱中症予防について、基発第329号「熱中症の予防について」、基安発第0729001号「熱中症の予防対策におけるWBGTの活用について」などにより対策を推進しています。

また、効果的な熱中症予防対策の徹底を図ることを目的として、関係省庁及び関係団体との連携の下、毎年4月に「Stop!熱中症 クールワークキャンペーン(職場における熱中症予防対策)」を公表し、各事業場において熱中症予防対策の徹底を推進しています。令和2年度のキャンペーン期間は、5月1日から9月30日です。

対策にはハード面の対策とソフト面の対策があり、さまざまな角度からアプローチしていく必要があります。

ソフト面の対策として、熱中症予防労働衛生教育が大きなカギを握ります。

なぜなら実際に作業をおこなっていくのは労働者であるからです。

熱中症は、正しく理解し適切な行動をとることで未然に予防することができます。そのためには教育を実施すること抜きでは実現しないでしょう。



熱中症予防労働衛生教育のカリキュラム

熱中症予防労働衛生教育は管理者用と作業者用のカリキュラムが定められています。

【管理者用】

科目・範囲時間
◎熱中症の症状
・熱中症の概要
・職場における熱中症の特徴
・体温の調節
・体液の調節
・熱中症が発生する仕組みと症状
30分
◎熱中症の予防方法
・WBGT値(意味、基準値に基づく評価)
・作業環境管理(WBGT値の低減、休憩場所の 整備等)
・作業管理(作業時間の短縮、熱への順化、水分 及び塩分の摂取、服装、作業中の巡視等)
・健康管理(健康診断結果に基づく対応、日常の 健康管理、労働者の健康状態の確認、身体の状 況の確認等)
・労働衛生教育(労働者に対する教育の重要性、 教育内容及び教育方法)
・熱中症予防対策事例
150分
◎緊急時の救急処置
・緊急連絡網の作成及び周知
・緊急時の救急措置
15分
◎熱中症の事例
・熱中症の災害事例
15分

【作業者用】

科目・範囲時間
◎熱中症の症状
・熱中症の概要
・職場における熱中症の特徴
・体温の調節
・体液の調節
・熱中症が発生する仕組みと症状
30分
◎熱中症の予防方法
・WBGT値の意味
・現場での熱中症予防活動(熱への順化、水分及び塩分の摂取、服装、日常の健康管理等)
90分
◎緊急時の救急処置
・緊急時の救急措置
15分
◎熱中症の事例
・熱中症の災害事例
15分




熱中症予防労働衛生教育を受講する

熱中症予防労働衛生教育を受講する方法には、講習実施機関に行き受講する集合教育と会社に出張で来てもらう出張教育の2種類があります。

個別で受講する場合は集合教育、人数を集めて開催する場合は出張教育が良いでしょう。

出張講習をご検討でありましたら弊社で対応可能ですので、お気軽にお問合せください。

出張教育(オンライン教育も一部対応可)
株式会社きらめき労働オフィス

 

5月に入りましたが、これからますます暑くなります。

熱中症にかかってから慌てるような事後マネジメントではなく、より安全に安心に働くことができる事前マネジメントを取り入れて今年の夏を乗りきっていきましょう。

 

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