「ホウレンソウとは何ですか?」と質問されると多くのビジネスパーソンが「報告、連絡、相談」と回答されます。
では、「ホウレンソウの意味は何ですか?」と質問されるとどうでしょうか?
こちらの質問には、答えられないまたはよく理解していないと回答される多くのビジネスパーソンがいらっしゃいます。
今回は、このビジネスで用いられるホウレンソウについてご紹介していきます。
ホウレンソウのルーツ
ホウレンソウの言葉は、1986年(昭和61年)に山種証券(SMBC日興証券)の山崎富治社長がお風呂につかっているときに閃いたと言われています。
山崎社長は、「報告、連絡、相談」を重視する「報・連・相」を提唱し、社内キャンペーンとして開始しました。
このキャンペーン運動は、高い注目を浴び、元内閣総理大臣の中曽根康弘氏も派閥内で報連相キャンペーンを取り入れるほどであったと言われています。
現在では、各産業界においてホウレンソウが深く浸透しています。
ホウレンソウとは
ホウレンソウは「報告」、「連絡」、「相談」の3つの要素から成り立っています。
ホウレンソウの3つの要素の意味は以下になります。
「報告」とは、仕事の経過や結果をキーパーソンに伝えること
「連絡」とは、関係者に情報を共有すること。
「相談」とは、自分が判断に迷う時、問題解決したい時にまわりに意見をきくこと。
なぜホウレンソウが大切なのか
それは、ビジネスにおいて有効なコミュニケーションツールとして活用されているからです。
ホウレンソウは、コミュニケーションの1つであり、多くのビジネスパーソンが活用しています。
学生時代は、年齢、価値観、考え方が一緒の気が合う仲間同士でコミュニティをつくり人間関係を育んできました。
阿吽の呼吸という言葉があるように、言葉で表現しなくても伝わることが多かったかと思います。
しかし、社会人になると、年齢、価値観、考え方が違う方々とコミュニティをつくり、活動していく必要があります。
そのため、これまでのコミュニケーションでは通用しなくなるわけです。
つまり、学生=学生時代のコミュニケーション、社会人≠学生時代のコミュニケーションということです。
年齢、価値観、考え方が違い方々とコミュニケーションをしていくにはいかに相手に伝わるコミュニケーションをしていくかが大切です。
ビジネスにおいては、その一つとしてホウレンソウが活用されているということです。
ホウレンソウは誰がするのか
ホウレンソウはだれがすると思いますか?
「ホウレンソウは部下が上司にする」、「部下が上司のためにホウレンソウをしなければならない」と思いますか?
いずれもこれらは間違った考え方です。
今では多くの会社でホウレンソウを活用していますが、このような考え方を持った経営層や管理職が非常に多い、部下指導としておこなっているという残念な状況です。
「ホウウレンソウは全員でする」、「上司のためではなく自分のためにする」ことです。
そもそも「ホウレンソウは部下がするものだ」、「上司が仕事をやりやすいようにホウレンソウをすべきだ」と言われて気持ちよくホウレンソウができますか?できないですよね。
山崎氏の書籍においても「報連相は職場の風通しをよくするためにおこなうものだ」と記載があり、「部下の報連相がなっとらん」、「部下に報連相をさせなさい」などの記述は見当たりません。
いつの頃か報連相を経営者や上司の都合の良い風に作り直されているということです。
山崎氏は、「組織に報連相が育つ土壌を作りあげ、タテ・ヨコのコミュニケーションを密にして会社を強くすることである」と提唱されています。
ホウレンソウの真の目的は情報の共有化
ホウレンソウをおこなう真の目的は、情報の共有化です。
情報の共有化によってズレのないコミュニケーションをおこなうことができます。
例えば、野球で考えてみましょう。
ピッチャーは情報の送り手、キャッチャーは受け手とします。
ピッチャーは、キャッチャーのミットに良いボールを投げることが求められます。
良いボールでないとキャッチャーはうまく受けとめることができないですよね。
キャッチャーは、ピッチャーが良いボールを安心して投げることができるようにミットをドシッと構えます。
そうするとピッチャーは良いボールを投げることができますよね。
つまり、報連相を活性化させるには、ピッチャーとキャッチャーの双方が努力しないといけないということです。
それには普段からのトレーニングが必要になります。
ホウレンソウにおいても普段からのトレーニングが必要です。
お互いが気持ちの効果的に効率的に良い仕事をするにはホウレンソウはかかせないコミュニケーションツールです。
ホウレンソウを取り入れ、グッジョブな仕事、人間関係をつくっていきましょう。