リーダーが部下に具体的な関わり方をする方法として、「教育における4段階法」があります。
「教育における4段階法」は山本五十六から生み出された部下育成法です。
今回は、「効果的な部下育成をおこなう教育における4段階法」についてご紹介します。
山本五十六とは
まず、山本五十六(やまもといそろく)の人物について簡単にご紹介します。
・1884年(明治17年)4月4日に新潟県長岡市にて生まれる。
・大日本帝国海軍軍人。第26、27代連合艦隊司令長官。
・身長は1m60cm、体重65kg、小肥の立派な体格。
・無口で人に対して機嫌をとったりせず、馴れ馴れしくするということはない性格。
・内外問わず老若男女を差別せず接する人々を温かく受け入れる人柄。
・三和義和によると「とっつきにくい人だったが、はかり知れぬ深さのある人で2、3ヶ月もすればたいていの人は尊敬しなついた」。
・任務に忠実、自らに厳しく他人には寛大である。
・太平洋戦争当時の日本海軍の中では最高の指揮官と言われている。
山本五十六から学ぶ名言
山本五十六の教育における名言にはこのようなものがあります。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
この名言はリーダーが部下を育成するうえで非常に参考になる考え方です。
それでは名言のそれぞれのパーツを以下、みていきましょう。
やってみせ
部下に行動を起こさせるには、まずは自分が良いモデルになりやってみせることです。
リーダーの良いモデルを見せることで部下は観察し、「どのような状況でどんな行動を起こせばよいか」という見通しがつきます。
例えば、新しいことを覚えるときや不慣れな作業をするときは不安がつきものです。
「まずはやってみるよ。この作業はこうやってこうやるんだよ。このように進めると着実に仕上げが良くなるよ」という具合にお手本を見せるということです。
言って聞かせて
部下に責任を持って仕事をやり遂げてもらうためには、仕事の意義や重要性を伝えることがとても大切です。
ここが欠けてしまうと仕事に魂が入らず、自分事ではなく他人事で仕事をしてしまう部下を育ててしまうことになるかもしれません。
「なぜその仕事は重要なのか」、「なぜ〇〇さんにやってほしいのか」、「その仕事がその後どのようにつながっているのか」、「前工程、後工程を考えて仕事をする意味は何か」など具体的に伝えることが重要です。
例えば、生産会議で議事録をとってもらう仕事を部下に頼んだ場合をご説明しましょう。
「議事録とっておいてね!」と頼むのと「いつもポイントを掴んで分かりやすく議事録として残してくれるから他部署の部門長達にも見やすいと好評だよ。今回もお願いね!」と伝えることで部下の仕事に対しする姿勢や重要性も変わってくるでしょう。
させてみせ
部下に成功体験を積ませるためにやらせてみます。
成功体験を積ませるやり方にも工夫が必要です。
部下のスキルよりも少し上のレベルのもの、つまり頑張ればできるようなものを仕掛けとして設定することです。
なぜなら、あまりにもレベルが高すぎると自身喪失につながりますし、レベルが低すぎると退屈さやマンネリ化が起きてしまうからです。
チャレンジレベルのあるものをスモールステップ、ベイビーステップの原則で設定してやらせていきます。
ほめてやる・承認する
望ましい行動に対して、ポジティブなフィードバックとしてほめることを忘れてはなりません。
ポジティブなフィードバックを受けることで、ひとはますます頑張ろうと行動喚起へとつながるからです。
ただ、ほめることだけで行動喚起につながるわけではありません。
五十六は、ほめることだけでなく、承認の重要性も続きの名言で説明しています。
相手を認める大切さを伝えることをしなければ長期的にひとは育たないということです。
ほめるは瞬間マネジメント、認めるは持続的マネジメントといったところでしょうか。
また、ほめることは、お互いに信頼関係が構築されていないと効果が発揮されず、逆効果にもなりかねないことはリーダーとして留意しておくべきポイントです。
いかがでしょうか。
今回は、「効果的な部下育成をおこなう教育における4段階法」についてご紹介させていただきました。
ぜひ今後のマネジメントとして参考にしてみてください。