フルハーネス型墜落制止用器具特別教育の要点を分かりやすく解説！

２０１９年２月１日（平成３１年２月１日）より「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育」が施行されました。

今回は、「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育」の詳細について解説していきます。

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育とは

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育とは、２０１９年２月１日（平成３１年）に厚生労働省より施行された特別教育です。

墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドラインで、「高さ2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に労働者を就かせるときに義務づけられている特別教育」と定められています。

わが国では、従来から胴ベルト型安全帯が使用されてきましたが、墜落時の衝撃による内蔵の損傷、胸部の圧迫等による危険性が指摘され、胴ベルト型安全帯による事故災害も確認されてきました。

また、国際規格等でも着用者の身体を肩、腰部、腿などの複数箇所で保持するフルハーネス型安全帯が採用されています。

そこで、関係法令等の改正により２０１９年２月１日より、高所作業で使用する墜落制止用器具はフルハーネス型を原則とすることになりました。




 

労働災害発生状況の中でも墜落・転落災害が多い

上記表は、厚生労働省より公表されている「令和元年事故の型別労働災害発生状況」です。

わが国により労働災害の型別要因をみると、「墜落・転落」、「転倒」がかなりのウェイトを占めていることが分かります。

「墜落・転落」、「転倒」は高所作業において発生している型別要因であるということからゼロ災害を達成するためにも教育の徹底を図ることが大切であると特別教育として定められた要因の一つです。




 

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育を受講しないとどうなるのか？

今後は、上記で解説しました作業に労働者を就かせるときには、フルハーネス型墜落制止用器具特別教育を受講している必要があります。

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育を受講をせずに作業に従事すると労働安全衛生法第５９条３項違反となり、懲役６か月以下又は罰金５０万円以下の刑に処せられます。

労働安全衛生法違反になることはもちろんですが、何より特別教育を受講して安全に対する意識の向上を図り安全・安心作業につなげていくことが本来の目的ではないでしょうか。




 

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育のカリキュラム

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育は、安全衛生特別教育規程第２４条で以下のとおり学科および実技を所定の時間以上（６時間以上）実施することが定められています。

所定の時間以上（３６０分以上）とは、休憩時間を除く講義の時間ですので、注意する必要があります。

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育を受講する

フルハーネス型墜落制止用器具を着用して対象作業に従事する方は、フルハーネス型墜落制止用器具特別教育を受講しましょう。

受講する方法には、大きく集合教育と出張教育の２種類があります。

集合教育とは、安全衛生教育を実施している企業・団体が指定の場所に受講者を集めて教育する実施する形態です。

出張教育とは、安全衛生教育を実施している企業・団体が依頼主の企業に出張して教育を実施する形態です。

少人数での受講の場合は集合教育、ある程度の人数を集めて受講であれば（例えば１０人以上）出張教育が良いのではないでしょうか。

出張講習をご検討でありましたら弊社で対応可能ですので、お気軽にお問合せください。

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育を受講し安全・安心作業につなげていきましょう。