わたしたちは、「安全と安心」、「事故と災害」という用語を普段から使いますがこれらの用語の意味や違いについて説明できますでしょうか?
普段、講演や研修で多くのビジネスパーソンのみなさまに質問しますが、それぞれの意味や違いについて説明できる方は少ないように見受けられます。
なんとなく使っている用語であるけど考えたことがなかったというご意見もあります。
今回は「安全と安心」、「事故と災害」について理解を深めていきましょう。
安全と安心の意味
「安全」とは、辞典によると「危険がなく安心なこと。傷病などの生命にかかわる心配、物の盗難・破損などの心配のないこと。」と説明されています。
職場では、将来にわたって災害または事故が発生するおそれがある潜在的危険がない状態を指しています。
「安心」とは、辞典によるともともと仏教からの思想から由来で「気にかかることがなく心が落ち着いていること。また、そのさま。」と説明されています。
職場では、そのひと自身が心配がなくなり気持ちが落ち着いている様子を指しています。ひとそれぞれ受けとめ方が違うため、そのひと自身が安心について定義づけることには差があります。
事故と災害の意味
「事故」とは、辞典によると「思いがけず生じた悪い出来事。物事の正常な活動・進行を妨げる不慮の事態。」と説明されています。
職場では、機械設備、環境などにトラブルや異常な状態が生じても、ひとに被害が及ぶことなく、機械設備の破壊・破損、爆発火災による建物の損壊などで済んだことを指しています。
「災害」とは、辞典によると「地震・台風などの自然現象や事故・火事・伝染病などによって受ける思わぬわざわい。また、それによる被害。」と説明されています。
職場では、機械設備、環境の不具合、ひとの不適切な行動などによる結果として、ひとが死亡したり、怪我をしたり、健康を損ねることを指しています。
改めて言葉の意味を知る
普段、使い慣れている言葉ほど、わたしたちは意外に理解しておらず、知らず知らずのうちに使っています。
部下や後輩に「安全と安心について教えてください!」と言われて答えられなかったら情けないし、恥ずかしいですよね。
知らず知らずに使っているうちは正確に理解しておらず、抽象的な捉え方しかできません。
まずは、言葉の意味を知り、その用語自体が意味するところは何かという「Why」を常に考えてほしいと思います。
「Why」を考えていくとさらに深堀することができ、行動につながることでしょう。
今回は、「安全と安心」「事故と災害」についてでしたが、普段から言葉の意味について考える習慣をつけていきましょう。