2017年7月1日(平成27年7月1日)より「足場の組立て等特別教育」が施行されました。
今後は、足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く)に従事する者は、足場の組立て等特別教育特別教育を受講することが義務づけられています。
今回は、足場の組立て等特別教育特別教育の詳細について解説していきます。
足場の組立て等特別教育とは
足場の組立て等特別教育とは、足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く)に従事する者に対する厚生労働省が定めている特別教育です。事業者は、これらの業務に従事する者に対して特別教育の実施が義務づけられています。
足場は、高所などの作業を安全に効率的におこなうために必要不可欠のものです。建設現場にある大掛かりな屋外用のものから脚立足場、うま足場といわれる屋内用まで多くの足場があります。
足場を使用する作業もプラントメンテナンス、塗装工事、電気工事、イベント会場の設営などさまざまです。
しかし、足場による事故災害が後を絶たず、死亡災害に至るまでの最も多い事故の型となっています。
こうした現状を踏まえ、足場からの転落・墜落災害を防止するため労働安全衛生規則が改正され、特別教育として定められました。
わが国の労働災害発生状況
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育の記事でもご紹介しましたが、厚生労働省より公表されている「令和元年事故の型別労働災害発生状況」では、わが国により労働災害の型別要因は「墜落・転落」、「転倒」が多いことが明らかにされています。
「墜落・転落」、「転倒」は高所作業において発生している型別要因であるということからゼロ災害を達成するためにも教育の徹底を図ることが大切であると特別教育として定められた要因の一つです。
足場の組立て等特別教育を受講しないとどうなるのか?
足場の組立て等特別教育を受講をせずに作業に従事すると労働安全衛生法第59条3項違反となり、懲役6か月以下又は罰金50万円以下の刑に処せられます。
労働安全衛生法第59条3項
事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
労働安全衛生規則第36条39号
法第59条第3項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
39 足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く。)
労働安全衛生法違反になるから受講するではなく、安全意識を高めるために受講することが特別教育を受講する本来の目的であることはこころにとめておくことが大切です。
足場の組立て等特別教育のカリキュラム
足場の組立て等特別教育は、安全衛生特別教育規程第24条で以下のとおり学科および実技を所定の時間以上(6時間以上)実施することが定められています。
所定の時間以上(360分以上)とは、休憩時間を除く講義の時間ですので、注意する必要があります。
科目・範囲 | 時間 |
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◎足場及び作業の方法に関する知識 足場の種類、材料、構造及び組立図、足場の組立て、解体及び変更の作業の方法、点検及び補修、登り桟橋、朝顔等の構造並びにこれらの組立て、解体及び変更作業の方法 | 180分 |
◎工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 工事用設備及び機械の取り扱い、器具及び工具、悪天候時における作業の方法 | 30分 |
◎労働災害の防止に関する知識 墜落防止の為の設備、落下物による危険防止の為の措置、保護具の使用方法及び保守点検の方法、感電防止の為の措置、その他作業に伴う災害及びその防止方法 | 90分 |
◎関係法令 法令及び安衛則中の関係条項 | 60分 |
足場の組立て等特別教育を受講する
足場の組立て等特別教育を受講する方法には、集合教育(安全衛生教育を実施している企業・団体が指定の場所に受講者を集めて教育を実施する)と出張教育(安全衛生教育を実施している企業・団体が依頼主の企業に出張して教育を実施する)の2種類があります。
従業員個別に受講させる場合は集合教育、ある程度(例えば10人以上)人数を集めて受講させる場合は出張教育が良いでしょう。
出張講習をご検討でありましたら弊社で対応可能ですので、お気軽にお問合せください。
出張教育(オンライン教育も一部対応可) |
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株式会社きらめき労働オフィス |
足場の組立て等特別教育を受講し安全・安心作業につなげていきましょう。