前回、「効果的な部下育成をおこなう教育における4段階法」をご紹介しました。
今回は、労働安全衛生教育においてこの手法をどのように展開していくのか、「安全衛生における部下育成4段階法」をご紹介します。
教育における4段階法のベースとなる山本五十六の名言
教育における4段階法のベースとなる考え方は、前回ご紹介しました山本五十六の名言がベースです。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
この名言を4段階でステップ化していきます。
導入:心の準備・動機づけ
第1段階でおこなう導入では、心の準備や動機づけをおこないます。
部下を呼び出していきなり教育を始めるとどうなるかを考えてみればわかります。
本人は心の準備ができていないし、なぜ呼ばれたのか意味も分からずスタートしてしまいますよね。
そうなると消化不良を起こすことになりかねます。
そのため、作業の重要性、作業の意義、メリットなどを話し合い、本人が覚えたい、習いたい意欲を起こさせることからはじめます。
ひと通りやってみせて、手順、急所(カンとかコツ)を理解させていきます。
提示:やってみせる
第2段階でおこなう提示では、説明してやってみせます。
「こうやってこうやるんだよ」とお手本をみせるわけです。
お手本をみせることで部下は、作業の見通しがつきリーダーがみせてくれた作業を代理体験します。
安全、品質、能率の急所(カンとかコツ)を強くj印象づけて、理解や納得するまで何度も繰り返します。
作業方法、急所を話して納得させます。
適用:やらせてみる
第3段階の適用では、やらせてみせることをおこないます。
第2段階の適用でお手本をみせたので、実際に同じようにやってもらうということです。
やらせながら習得させ、実際に身についたか確かめていきます。
実体験としてやらせることは、作業を覚えるうえで一番有効な方法で本人の自信に大きくつながります。
本人が習得していればできますし、習得が未熟であればできないということが可視化される段階でもあるので、リーダーにとっても習得しているか判断がつきやすいというメリットがあります。
第4段階:確認
第4段階の確認では、あとをみます。
わからない、やれない点を把握し、教え方にどのような問題があったかを反省し、追指導をおこないます。
できればほめて自信を持たせたり、承認をしたりします。
できていなければ追指導が必要です。
導入→提示→適用と戻って本人ができるまで回し続けていきます。
このように「部下育成に効果的な教育における4段階法」は導入→提示→適用→確認という順でおこなっていきます。
ぜひマネジメントに取り入れてみてください。